自転車だらけのアムステルダム

2010年7月9日 18時22分 | カテゴリー: 活動報告

「オランダ・イギリスのまちづくり」調査研修から

アムステルダムのまちなかでは、橋の欄干にチェーンで結んだ自転車がいっぱい!
アムステルダムのまちなかでは、橋の欄干にチェーンで結んだ自転車がいっぱい!
 

 

 
 

 4月15日、自転車の国オランダに到着。アムステルダムに一歩踏み入れた途端、自転車政策を学ぼうという私の意気込みは一挙にしぼみました。とにかくまちじゅう自転車だらけ。四方八方自転車が走り回り、いたるところに山のように自転車が停めてあるのです。決して美しいとはいえません。景観、駐輪、マナー・ルールの啓発・・絵空事ではないクルマから自転車への転換とは何か、を知ることとなりました。
 オランダは、海抜0㍍以下が国土の4分の1を占め、地球温暖化による海面上昇の影響を受けることが予測され、そのため、50年ほど前から国を挙げて自転車走行環境の整備が進められました。2000年頃には地方主導の自転車政策に転換。平均価格が5〜6万円と高価にもかかわらず、自転車の保有台数は人口より多く、7.5キロメートル程度の移動手段には自動車より自転車を選ぶ、自転車王国になったのです。

自転車のまちハウテン市は、美しい!

 そんな落胆した感情とともにアムステルダムから南へ30㎞、オランダの中央にある人口47000人のコンパクトなまちハウテン市に向かいました。自転車のまちとして有名なハウテン市への期待を胸に。
 実際にレンタサイクルで市内を走りました。まち全体が自然公園のように花や木々、水辺があり、その間を自転車道が走っています。建物は低層で、高層ビルは見当たりません。市内の道には、クルマはお客様、つまり歩行者、自転車が優先で、「クルマは遠慮して」という標識が目立ちます。市内に入るクルマは居住者が主。市の外側に広い環状道路が整備され、市内には通過交通は入れません。入らざるをえないクルマは、駅前広場にある地下駐車場に停めるそうです。
 自転車の環境的な利点は、CO2、NOxの削減だけでなく、住宅地としての質の向上にあるとハウテン市職員は話してくれました。自転車道の整備で回遊性、利便性がうまれ、まち全体の付加価値が高まるというのです。
 このような統一感は、そのまちの都市計画が住民合意に基づいて作られ、それを実現するためには多少の不便があっても協力を惜しまない住民意識の高さでしょう。
 その住民意識の高さは、自分たちの手で干拓をして作り出した国土を守り、移民の多い多民族社会を円滑に運営するために培われたオランダの市民教育が必然であったのだと改めて感じました。