「政権交代のもたらしたもの」 教育現場の混乱

~国は公立小中学校の35人学級は見送り!~

 昨年9月、文部科学省は、2013年度から2017年度にかけて、小学校3年生から中学3年までの全学年を35人以下学級にすると発表しました。ところが、今年の1月末になって、政府は、2013年度からの35人以下学級予算を見送るという方針を発表しました。

 こうした政府方針の転換が報道されると、「一体どうなるの?」という保護者の不安な問合せをいただきます。小学校では平素行っていない学年でのクラス替えの必要性も出てくるので、子どもたちにとっては重大な出来事です。また、今年4月、中学に入学するお子さんや保護者にとっても、ぎりぎりまではっきりしない状況は不安ですよね。

◇東京都ではどうなるのでしょうか?◇ 

国の方針が示された後、東京都は、本年度からすでに実施されている小学校1,2年生に加え、都の独自財源で新たに中学校1年生においても学級編成基準を35人以下にすると発表しました。小学校3~6年生、中学校2、3年生の学級編成は現状通りです。

そもそも、小学校入学当初に集団生活になじめない子どもの「小1問題」対策として公立小学校1、2年生の35人以下学級は導入されました。

今回の中学校一年生も、小学校から中学校に進学した際の「中1ギャップ」の予防・解決の一つとしての東京都の導入です。

この「小1問題」「中1ギャップ」は不登校、引きこもり、いじめの原因になる、とも言われています。

子どもたちが学校に馴染めず不登校になることがないように、いじめや体罰などで自ら命を絶つ悲惨な事件が再び起こらないよう、子どもとしっかり向き合い、話しができる環境整備が重要です。教育現場では、少人数学級、複数担任制など、さまざま議論がありますが、なによりも子どもにとって学校が安全で楽しい場所になることが求められています。