エネルギーで地域経済をまわす~市民と行政の協議会
2月9日、第19回市民と行政の協議会(注)を建物の省エネ化と再エネ化拡大を論点に開催しました。
(注)市民と行政の協議会とは、市民と行政のパートナーシップでまちづくりを進めるために、都議有志が仲立ちして1994年から開催。テーマを特定し市民グループと都の担当局とが政策協議を行うもので、これまで食の安全、ダイオキシン、都市農業、湧水、子どもの権利擁護、LGBTなどをテーマに回を重ねてきています。
東京都は、国に先駆けてキャップ&トレード(温室効果ガス排出量取引)などに取り組んでおり、2030年温室効果ガス30%削減・再エネ比率30%を目標に掲げています。
都は、国分寺市に公文書館を都有施設で初めてZEB(ゼブ:ゼロ・エネルギー・ビル)化する実証建築を建設。建築後の検証を経て「省エネ・再エネ東京仕様」に盛り込む予定であること。また、住宅には、窓の高断熱化を図る助成制度を設けていることなどを紹介しました。
この協議会のコーディネーター役で長野県でエネルギー政策を進めてきた田中信一郎さんからは、住宅のZEH(ゼチ:ゼロ・エネルギー・ハウス)化には、設計者・工務店への働きかけが鍵であり、室温を一定にすることで、健康促進や仕事の効率が上がるという理解を周知していくことが重要との指摘がありました。
◇再生エネルギーの「都産都消」と地域間連携
市民グループからは、まだあるポテンシャルを活かして都産都消の太陽光発電の拡充、屋根貸し・自家消費の提案や都有の水力発電を都庁自ら
使うなどのアイデアが出されました。
自治体間連携で人も経済も交流を広げることも重要です。
都では、環境公社が電気小売事業者となり地域間連携の技術支援を行っています。世田谷区では保育園に長野県から電気を供給、電気だけでなく人々の交流も進めている事例や、秋田県にかほ市に建設した風車「夢風」をきっかけに、食や経済、人的交流が進む生活クラブ生協の事例も紹介されました。
(4/19更新の山内HP掲載の「おだやかな革命」という映画の中でも紹介されています。)まさに、「エネルギーで地域経済をまわす」しくみが各地で始まっています。
◇原発ゼロ!都が率先してエネルギーシフトを
3.11東日本大震災、福島原発事故から7年。
脱原発社会の実現は世界の要請ですが、原発再稼働を進めたい日本政府はエネルギーシフトに消極的で、FIT(固定価格買取制度)価格の低下や大手電力の再エネ接続制限など逆風ばかりが現状です。
生活者ネットワークは、都が率先してエネルギーシフトを進めていくよう、今後も粘り強く提案していきます。