「議場は闘いの場である」—、3年前、前都議大西由紀子さんから言われた言葉を思い出しました。今日ほど、その言葉をかみしめた日はありません。
32万筆の署名を持って提出された、「東京電力管内の原子力発電所の稼働に関する東京都民投票条例」は、否決されました。本当に残念です。
昨年3月、福島原発事故は目の前で起きました。その事故の対応に、右往左往する国や東電や専門家の姿を目の当たりにして、原発が抱える途方もない危険性を肌で感じ、32万人以上の都民が、行動を起こさずにはいられなかったのは、当然です。
「誰もが真剣に原発に向き合い、市民が責任と権利を行使するために、互いに議論を尽くし、意思を表す場を設けてほしい」という意思を、直接請求という手法で、表明したのです。それが今回の都民投票です。
しかし、総務委員会の審議では、40分の意見陳述は行われたものの、請求代表者の方々への質問は認められず、議論を深めることはできませんでした。「都民投票はけしからん」という理由ばかりを並べたてていては、議会を、市民からますます遊離し、政治不信を拡げるだけです。開かれた議会をめざし、審議のあり方ももっと時間をかけて検討されるべきです。私たち議員は、政党や会派の枠を超え、一人ひとりの議員が真摯に向き合わなくてはならないと改めて思いました。
政治への参加を求める市民の声を、私は、これからも応援します。