まず、はじめに、都議会報告として、1月末に発表された東京都の2010年度予算案等の報告をした後、各自治体議員から“子ども”、“教育”、“福祉・医療”、“道路などの都市計画”、“環境”のテーマで現状と問題提起、取り組みなど活発な意見が出されました。各自治体の現場の声を反映するためには、市や区を超えて取り組んでいかなくてはならない問題と、地域の実情にあわせて解決しなくてはならない問題とがありました。
同じく2月3日、新聞である記事が目にとまりました。
“障害者自立支援法で定められた居宅介護などの自立支援給付について、東京都新宿区が昨年10月以降、65歳以上の障害者から新規申請があっても認めないよう内規で定めていたことがわかった”という内容です。76歳の有名人男性が申請について相談した際に断られたため発覚し、結局、厚労省から「法律違反の可能性もある」と指摘され、ようやく、区は「不適切」だったと認め、措置を撤回したそうです。
なぜ、このような対応になってしまったのでしょうか。新聞報道が事実として、新宿区の担当者が「『対象者が増えると事務作業などの面で処理しきれなくなる』と自立支援給付の運用ルールを改定していた」という驚くべき理由。また、有名人だったから発覚したのか、という疑問。当事者の声にならない不安や思いに応えていくためには、「手間とひまを省いてはいけない」という当然のことがなされていない事例だと思います。生活者ネットワークは、自治体の自主性、分権をすすめています。しかし、この事例は、自主性の大いなるまちがいです。行政がもっと市民の生活に寄り添い安心して生活できるまちづくりをみなさんと一緒に考え、つくっていきたいと思います。