2014年一定予算特別委員会報告(その②)
障がい者の就労支援についてー予算特別委員会の質疑答弁(3/14)から
今年1月、日本は、国連の障害者権利条約に批准しました。障がいの有無に関わらず、誰もが尊重し合い、支え合う、共に生きる社会に向けたスタートラインにしなくてはなりません。今回、予算特別委員会で、障がい者の就労支援・定着支援について質問しました。その要旨をご報告します。
知的障がい者が清掃の仕事をするためのマニュアルを作成、
就労の場を広げよ
東京都では、2012年度から都庁のフロア清掃に知的障がい者が従事していました。この事業は、知的障がい者が働くためのマニュアルづくりを目的としていますが、働く場を都庁に設けることは大きな意味があると思います。しかし、この事業は2年間で終了してしまいました。策定したマニュアルを事業者が活用するだけでなく、都庁をはじめ多くの都有施設で障がい者が働く場をつくっていくことが必要です。障害者優先調達法による随意契約や政策入札の手法を駆使して、障がいのある人もない人もあたりまえに、ともに働く場づくりを進めるよう積極的に取り組むことを要望しました。
今年度、産業労働局は「都の施設における清掃を活用した障害者の就労支援」事業をようやく実施します。労働という観点から、障がい者の就労が今後広がることを期待したいと思います。
雇用上の課題を把握分析。事業主が職場定着を支援
障がい者の法定雇用率が引き上げられ、今後、障がい者の就労が増えることが期待されています。しかし、まだまだ企業で障がいのある人と共に働くという、事業者の理解と環境の整備が不足しています。そのため、仕事が続けられず、離職する障がい者が少なくありません。
都は、障がい者の職場定着を支援するため、東京ジョブコーチを企業現場に派遣しています。その体制強化とともに、事業者が障がいを理解し、職場環境を改善するなど、課題解決に向けた取り組みが必要です。
今年度、産業労働局と福祉保健局がそれぞれ事例調査や実態調査の事業を実施します。事業者と就労支援機関など関係機関が情報を共有し連携して対応することが重要です。
障がいのある人が地域で安心して暮らし、あたりまえに働く社会にするには、さまざまな角度からの取り組みが必要です。今年度実施されるこれらの調査や事例などの情報が、企業の意識啓発や職場環境整備の推進に向かうよう、当事者の方々の意見、要望を取り入れ、今後も働きかけていきたいと思います。