「ひきこもり」の高齢化・長期化 8050問題
当事者・家族を孤立させない支援へ
80代の親が50代のひきこもり状態の子どもの生活を支える「8050(ハチマル ゴーマル)問題」。内閣府の調査から、全国に40歳~64歳で61万人いると推定されました。ひきこもり状態の長期化、高齢化、孤立している家族の深刻さが大きな社会問題となっています。
ひきこもり状態になるきっかけは、不登校、就労での挫折感による退職、介護などさまざまです。また、「家事手伝い」の名目に隠され、女性の把握は不十分となっています。
「ひきこもり」と結び付けて取り上げられる事件が報道されていますが、自己責任、家族の責任へと追いやることが問題です。どこにどう助けを求めてよいかわからずにいる当事者、家族を孤立させないためには、社会の問題として、居場所や相談窓口を自治体とともにつくる必要があります。
青少年・治安対策本部から福祉保健局へ所管替え
都がこれまで行ってきたひきこもり支援の対象年齢は、義務教育終了後の15歳から概ね34歳までとなっていました。所管部署が青少年・治安対策本部だったための「青少年」という年齢のしばりです。訪問相談の「東京都ひきこもりサポートネット」においても34歳までで、生活者ネットワークは対象年齢を拡げるよう再三要望してきてきました。
ようやく今年4月から、福祉保健局へ所管替えされました。この所管替えに伴って、年齢制限をなくなったことは大きな一歩です。世代を問わず、その人に合わせた福祉や就学・就労の支援、家族を孤立させない支援の充実を今後とも求めていきます。