若者たちが提出した「気候非常事態宣言」を求める請願、可決ならず
スウェーデンの高校生グレタ・トゥンベリさんが、国連温暖化対策サミットで、気候変動の危機を訴え、温暖化対策への取組みに鈍い「大人」世代に憤りの声をあげました。
この行動に共感した若者たちが、都議会に「気候変動に対する非常事態宣言を求める請願」を提出しましたが、環境建設委員会での採択で、自民党が反対、都民ファーストの会と公明党が継続審査を主張し、可決することができませんでした。残念でなりません。
請願者は、都内で活動する学生団体「フライデーズ・フォー・フューチャー(未来のための金曜日)東京」と約5000筆の署名。団体名は、グレタさんが金曜日に学校を休んで活動したことにちなんでいます。
気候非常事態宣言は、東京都の姉妹都市であるニューヨーク、パリ、ロンドンはもちろん、日本でも長崎県壱岐市、神奈川県鎌倉市を皮切りに、12月には長野県も宣言しています。
12月に開催されたCOP25で、「気象災害で2018年の最大の被害国が日本だ」と、ドイツの環境NGOが公表しました。昨年の猛暑や豪雨、台風被害の甚大さによる選考ですが、今年秋に相次いで襲来した台風による広域被害を見ても、気候変動問題は、今まさに東京も直面している危機です。温室効果ガス排出削減をはじめとする気候危機対策をこれ以上先送りすることは許されません。一日も早く「気候非常事態」を宣言し具体的に行動することを知事に求めました。
12月27日、今年最後の定例記者会見で、知事は、ゼロエミション東京戦略を公表。その際、「気候非常事態宣言」の表現を越えて、東京都は気候危機を認識し、具体的な対策を講じるとして「気候危機行動宣言」を発表しました。