東京五輪延期~延期に伴う費用、負担割合は不明
第1回定例会が閉会しました。
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、東京でも感染拡大が進むなか、オリンピック・パラリンピックの開催が1年延期になりました。
IOCが4週間以内に結論を出すとした矢先の決定は、「最悪の事態」である中止を避けられたと報じられていますが、中止か延期かを冷静に議論する必要があったと考えます。
予定では都の負担額が1兆3700億円。延期に伴う費用は数千億円に上るとの試算もありますが、詳細は不明です。都と国、組織委員会の負担割合など何も決まっておらず、見切り発車と言わざるを得ません。
東京開催が決まって6年あまり、一大公共事業であるオリンピック関連予算をどんどん巨大化させてきた企業や、オリンピックを理由にめまぐるしく変貌していく街の姿を目の当たりにしてきました。大会に向けて浮足立つ都政がいつまで続くのか、1年で世界の感染が終息するのかも不透明です。
大会延期決定の翌日、知事は「感染爆発の重大局面」と表明。都民に向けて、週末の外出自粛や自宅勤務を要請しました。都民の間には不安が一気に広がり、食料品の買いだめに走る姿が報道されました。多くの都民の生活を脅かす不安への対応が必要です。
長引く学校休業による子どもの居場所や健康を確保するため、教室・校庭開放、給食の提供をさらに促すとともに子育て世帯への支援、派遣切りをはじめ非正規・フリーランス労働者の相談機能の強化、そして重症化リスクの高い高齢者の命を守るための地域の医療体制整備などが緊急に行われるよう求めました。
東京が直面している危機は、新型コロナウイルスだけではありません。知事が表明した「気候危機行動宣言」にもとづき、対策を着実に進めることが重要です。気候変動の影響は、台風や豪雨などの自然災害だけでなく、新たな感染症を引き起こすおそれもあると指摘されています。感染症も気候変動も、貧困や障がいなど弱い立場にある人を直撃しています。
生活者ネットワークは、高齢者や障がい者、子ども、若者が生きやすい社会をつくっていくために、皆さんの声を政治に反映してまいります。