住まいの確保は生活の最低条件
東京都は、ケア付き高齢者優良賃貸住宅(高優賃)や都型ケアハウスを、民間事業の参入で増やしていくと公表しました。
しかし、前者は、厚生年金受給者など中堅所得者層向けにもかかわらず、補助があっても家賃とサービスで12万円ほどにもなり払いきれないという実情があります。
後者は、75歳単身の生活保護受給者を想定しています。
該当しない高齢者、障がい者、ひとり親家庭、DV被害者、非正規労働者など、住宅施策と福祉施策の狭間にいる人や、若者など、自立して生活したい人への住宅政策はありません。しかも住宅は足りているとして、都では都営住宅の新設をストップしているのが現状です。
それならばなお、限られた住宅資源のなかで、家賃補助、住み替えやすいシステムづくり、公営住宅の入居条件の見直し、バリアフリー住宅を増やす助成や融資制度などの住宅施策が必要です。住まいの確保は生活の最低条件です。
市民から発信する多様な住まい方
また、生活者ネットワークでは、NPOや市民と連携して、都営住宅の空き店舗や居室を、子育て支援、高齢者支援、グループホーム、まちづくり活動の拠点にするなど、地域の資源として有効活用することを提案しています。
市民からも、民間の共同住宅内に、そうした公共空間の機能をつくるという取り組みが始まって
います。また、空き家の活用や広い家にひとり住まいしている高齢者の協力を得て、多世代でシェ
アして住む試みもあります。
発想の転換や創意工夫で新しい住まいをつくる。そこに、新しいコミュニティーも生まれます。