高次脳機能障害に対しての支援

2010年第4回定例会一般質問より(その2)

12月28日 国立市内で都政報告を行いました
12月28日 国立市内で都政報告を行いました
 皆さまに“一般質問のご報告を”と思いながら、更新が遅れてしまいました。
 申し訳ありません。前回(12/14)の続きです。地元の国立市でも市民による家族の会が発足し活動していますが、高次脳機能障害に対してのリハビリ等支援体制を質問しました。以下質問と答弁の要約です。

2、障害者福祉について
Q3:高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故などで脳の一部が傷をうけ、記憶障害や注意障害など、日常生活に大きな支障をきたす。
 都は、今年度症状に合った専門的なリハビリ普及のためのモデル事業を区西南部と西多摩の2つの二次保健医療圏で開始。リハビリに長年取り組んでいる先生によると「患者が主体的にリハビリを長期的に続けることで回復する場合もあり、最後まであきらめないことが大切」ということ。そのためには、症状や生活のニーズに合った適切なリハビリを、身近な地域で受けられることが必要だ。
 モデル事業では、高次脳機能障害に対し、医療と福祉の連携により、効果的なリハビリが提供されるための、地域の支援体制の充実をどのように進めていくのか。
A3:福祉保健局長
都は、今年度から、二つの二次保健医療圏で、高次脳機能障害に対応したリハビリテーションの普及モデル事業を実施。高次脳機能障害者のリハビリテーションを担う中核病院が、専門スタッフを配置し、地域の福祉サービス事業所等に対する技術的助言などを実施。医療と福祉の連携強化のための連絡会や症例検討会を行っている。
これにより、リハビリテーション技術の普及や人材育成を進めるとともに、関係機関の連携を促進し、地域における高次脳機能障害者に対する支援体制の充実を目指していく。

Q4:高次脳機能障害は、他の障害に比べると、外見上障害が目立たないために、周囲に理解されにくいケースが多い。そのため家族の苦労や不安も大きく、家族の相談に的確に対応できる窓口が身近な地域に必要。新宿区は、都の補助事業を活用し、NPOと協働し相談事業を行っている。高次脳機能障害者支援の充実は、家族の訴えを聞き、何が必要か出来ることから取り組み、サービスを構築していくことが求められている。
 そこで、都としても、より多くの区市町村が相談体制の整備を進めるよう、積極的に支援すべきと考えるが、都の見解を伺う。
A4:福祉保健局長
高次脳機能障害者やその家族を支援していくためには、身近な地域で相談できる体制を整備する事が重要である。このため、都は、平成19年度から、「区市町村高次脳機能障害者支援促進事業」を開始し、相談支援等を行う区市町村への財政支援を実施してきた。また、心身障害者福祉センターにおいて、従来から行っている専門相談に加え、平成21年度から、当事者及び家族が相談員となる、ピアカウンセリング事業を実施しており、同様の取組を行う区市町村についても、包括補助事業により支援している。
今後とも、こうした取組を強化し、区市町村における相談体制の整備を促進していく。

Q5:’10年6月1日現在の都内の民間企業の障害者雇用率は、1.63%となり、大企業が牽引役となって8年連続して上昇しているが、中小企業では依然と厳しく、全国でも低い状況。
一方、地域では、しょうがい者も健常者も一緒になって働ける職場を確保するため、従来の補助金にたよるのではなく、市民との協働による社会的事業所などの新たな働き方も始まっている。しょうがい者が働き続けるためには、住み慣れた地域に職場があり、健常者と一緒に働くことができる多様な職場作りが必要で、その担い手としてのNPO等多様な主体の存在が欠かせない。近年、地域において雇用に限定されない多様な働き方を目指す人も増えていることから、こうした方々の主体的な取組を都としても積極的に支援していくべき。
 そこで、多様な働き方を広めるための都の取組について伺う。
A5:産業労働局長
近年、NPO、ボランティア、起業・創業など、都民の働き方は多様化してきている。このため、都はこれまでも、東京しごとセンターにおいて、多様な働き方セミナーやNPO等での就業体験の場の提供等を行うとともに、雇用以外のさまざまな働き方についての専門相談窓口を設置し、アドバイザーが相談や情報提供に応じている。
引き続き、これらの取組を通じ、多様な働き方をめざす人の主体的な取組を支援していく。

◆皆さま、今年も残り2日、良いお年をお迎えください。