昨年末に東京都の平成23年度予算原案が発表されました。
21年度、22年度と続けて大幅に減収した都税収入は、前年に比べて1.7%、692億円とわずかに増えると見込み、一般会計の予算規模は6兆2360億円で前年度比0.4%減となりました。その中で、投資的経費が、投資効果が高い東京港整備や幹線道路の整備のため、7年連続して増加となったことが目立つところですが、4月の都知事選挙の前とあって、石原色も消え、取り立てて話題になるような目玉施策も見当たらない、堅実な予算と言えるのではないかと思います。
重点的に配分された事業の中には、生活者ネットワーク・みらいが主張してきた新卒者を含む若者の就労支援が盛り込まれましたが、一人ひとりにきめ細かく対応することが重要であり、学校だけでなく民間やNPOの力を活用して、雇用の定着までを支援していくことが求められます。
また教育・文化及び福祉・保健分野は構成比も前年比も伸びており、医療や福祉の人材育成や、保育待機児対策・子どもの虐待対応・特別支援教育などでもまず人的支援が重要なことは言うまでもありません。
私が10月の決算特別委員会で取り上げた太陽熱利用の促進も、新築マンションでの導入に対して都独自の助成制度が設けられました。
都財政を圧迫する不安要素として、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策や、新銀行東京の問題はいまだ解決しておらず、日本を取り巻く近隣の国々の状況が緊迫度を増し、国内の政治・経済状況も先行き不透明な中、都は都民の生活の質を高めた生活都市東京の実現に向け、区市町村の自治・分権を支援する施策を着実に推進すべきであり、その観点から1月11日には復活予算要望を作成して提出しました。
2月後半から始まる予算特別委員会の審議には西崎議員が取り組みます。
以下 主な復活予算要望の項目です。
○不足している特別養護老人ホームの設置を促進するための助成を増額するとともに、介護保険制度の下で、利用者のサービスの維持向上を図るため、特別養護老人ホームの運営費補助を充実すること。
○統合失調症や発達障害などの精神疾患についての啓発を教育の場で行うとともに、うつや自殺予防するため、精神保健推進の体制を整えること。
○子どもの権利擁護事業を拡充すること。
○高校の授業料無償化で、公私格差が広がったといわれる。私立高校に通う生徒が就学を継続できるよう補助を行うとともに、私立学校経常費補助を見積もり通り、実施すること。
○アスベストや水銀など有害化学物質の適正な処理処分を徹底すること。
○生活道路の安全確保のため、歩行者優先の快適な歩道づくりを進め、併せて自転車道の整備を促進すること。
○住宅困窮者で都営住宅に入居できない人のための家賃補助制度をつくること。
○35人学級の実現に向けて、必要充分な教員数を確保するとともに、複数担任制やTTなど柔軟な職員配置を認めること。
○都立高校の定員を増やし、夜間定時制に関しても希望する生徒が入りやすくすること。
などです。