2010年12月議会の一般質問に取り上げ、HPにもアップしたので、お読みいただいた方もいるかもしれません。脳卒中や交通事故などで脳の損傷を受け、その損傷部位によって、特定の症状が出る障害で、外見からはわかりにくく、なかなか周囲に理解されにくいため、ご本人はもとより、ご家族の不安や苦労、葛藤が多いのが現状です。
1月15日、高次脳機能障害者と家族の会国立支部が主催し、国立市健康福祉部共催で行われた「高次機能障害とは?」で、武蔵野赤十字病院院長富田博樹先生のお話をうかがってきました。
脳損傷後、退院し、日常生活や職場に復帰したところ、外観は以前とかわらないのに「どこか変わった」「注意力がなくなった」「物覚えが悪くなった」「わがままで気が短くなった」など、障害とはわからずに周囲から受け入れられなくなり、だんだんと学校へ行けなくなったり、仕事を続けられなくなったりするそうです。高次脳機能障害の認知度も低く、症状も一人ひとり異なり、ご本人も家族も、その障害をなかなか受け入れられず、時には絶望的に打ちのめされることが多いともおっしゃっていました。
しかし、先生は、ご本人やご家族が障害を受け入れ、良くなりたいという強い願望をもちつづければ、必ず良くなるとおっしゃいます。時間をかけ、ゆっくり、あきらめずにできることを見つけていくことから始めるのだそうです。交通事故で高次脳機能障害になったお子さんが、それまで通っていた学校で、友だちに支えられ、障害を受け入れながら元気に生活を続けている実際のお話をうかがいました。
脳損傷によって引き起こされた欠損を補う能力を引き上げ、再び自己を統合できるようになるには、リハビリテーションセンターや病院が支援拠点となり、患者団体、医療機関、就労支援機関、行政が一体となって治療的環境を整えていくことが必要です。
高次脳機能障害を広く周知し、地域のなかで雇用をつくり、生活していけるよう、私も政策提案、情報提供していきたいと思っています。