子どもの被ばくに「安全基準値」などない!

17日から始まる都議会第2回定例会は、石原知事の4期目のスタートとなります。
知事の今後4年間の方針が初めて明らかにされる、初日の知事の所信表明に注目が集まっています。震災対策や放射能汚染への対応、エネルギー政策などを盛り込んだ『東京緊急対策2011』が発表され、今議会で審議されます。

この間、都議会生活者ネットワーク・みらいは、子育て中の若いお母さんを中心に放射能汚染の不安の声が多く寄せられたことを受け、5月26日に、東京都に対して以下の緊急要望を申し入れました(※「要望書」word形式)。
・ 都農産物の放射能検査について、品目や回数の拡大を生産者と協議してすすめると
ともに都民への迅速な情報提供を行うこと。
・ 内部被ばくを含め被ばく量を減らすため、迅速・丁寧な対応を行うこと。特に子ど
もに対しては、校庭・園庭の土壌検査や室内空気検査を行い、健康的な環境を整備すること。
・ 自治体や学校が自主的に放射能測定を行えるよう、測定機購入に対し、補助を行う
こと。

東京都は6月8日、区市町村の意向をふまえ「都内における空間放射線量の測定の拡充について」を発表。島しょを除き、都内全域を4kmメッシュで区分し100か所程度の空間放射線量を測定(地上1㍍、5㌢㍍)また、地域での空間放射線量測定を支援するため、希望する区市町村に測定機器を貸与することになりました。100か所の測定は、6月15日から1週間、機器の貸与は6月20日以降実施となります。また、石原都知事は、6月14日、「福島県以外の学校・幼稚園・保育所等における放射線量の安全基準値の早期設定を求める緊急要望」を国に提出しました。

都民の不安に応えるには、まだ、第1歩を踏み出しただけです。100か所測定は試験的に今回1回のみ。機器の貸与は70台とされています。日本をリードする東京と豪語するのであれば、国の基準を待たずとも、迅速に、積極的に対応していくことができるだけの財力は、東京都には十分にあるのですから、子どもたちの未来こそ守るべきと考えます。今、問われている「年間20㍉シーベルト」とは、放射線を職業とする人が特別に認められる放射能被ばくの目安です。子どもの被ばくの基準に「安全」などありません。放射線に対する感受性(細胞が傷つく程度)が大人より高く、その後の人生も長い子どもの将来を考えると、『安全基準値』などという考えは捨て、本気で対応策を講じ、その対策等に要する費用についても国の指示待ちではなく、都としても独自の対策を講じて欲しいものです。