胸にひびく、市民の思い〜都民投票条例制定の請求者による意見陳述

 昨日、総務委員会で、都民投票条例の請求代表人8人による意見陳述が行われました。

 朝から100人以上の方々が傍聴を求めて並びましたが、委員会室が狭いため52人の方々しか傍聴できなったのは非常に残念です。本来なら、皆さんにすべてをお伝えしたい。そう思うくらい、お一人お一人の訴えが胸にずっしり伝わりました。以下は、その一部です。

 「5月5日、国内のすべての原子力発電所が停止しました。子どもの日でした。子どもの日にとまった原発を、子どもの将来のために、動かすのか、止めるのか、今こそひとりひとりが考え、意思表示する場が必要です。将来、子どもたちに『あの時、お父さんお母さんたちは何をしていたの?』と聞かれた時、『都民投票でみんなで真剣に考えたよ』と言いたいのです。そうでなければ、この先しっかりと前を向き、子どもを育てていくことができません。」

 「私が実際に署名を集めているとき、放射能は怖いけど景気がもっと悪くなったら困る、温暖化対策はどうする?いろいろなご意見を頂戴するなか、今まで、このように重要なエネルギー問題をはじめ、私たちの生活に大きくかかわる社会のしくみについて、住民同士が話し合う機会がなかったことに気がつきました」  

  31人の請求代表人が2ヶ月間で323076筆の署名を集める。それは並大抵のことではありません。35歳の会社員の男性の言葉も印象的でした。

 「私は、これまで選挙にすらほとんど行かないような政治参加意識が低い一般市民でした。そんな中、あのような人類史上類を見ない原発事故が起こりました。事故の原因については未だ解明できていないと聞きますが、その中の大きな要因の一つに、以前の私のような政治、社会問題、あるいは原発の問題に無関心であった人たちがいたからこそ、電力会社の人、原子力の専門家、国の機関といった一部の人たちが推し進めてきた原発の建設、あるいは稼働に正当なチェックが行われず、ずさんに管理されてきたということがあったと思います。私たちはこれを教訓にして将来に進まなくてはいけません。・・・今回の法定署名は名前、住所のみならず、生年月日、印鑑(拇印)まで求める非常に厳しいルールがあります。街角であった初対面の人に、そこまで個人情報を晒すことに抵抗のある人がどれだけ多くいたことか。にもかかわらず、今回法定署名数を優に越える署名を集めることができたことが、どれだけ意味のあることか」
 
 

 15日には同委員会で各委員からの質問が行われ、18日(月)委員会での採決が行われます。多くの方々の傍聴を期待しています。