指導者の意識改革が必要!体罰問題を考える。
~文教委員会質疑から
3月15日に行われた文教委員会で東京都の教育について食物アレルギー、安全教育やいじめ対策、教育環境整備、教育環境整備などを質問しました。その中で「部活動について」をご報告させていただきます。
大阪市の高校で、運動部の男子生徒が顧問教諭から体罰を受けて自殺するという痛ましい事件が起きました。このことを受けて、東京都教育委員会は、都立高校・公立中学校等の部活動における体罰の調査を行ったところ、中間報告の2月段階でいくつか体罰の事実が浮かび上がりました。最終的な結果の速報公表は3月末、また分析結果の公表は4月末になります。
運動部活動の指導は、教員以外、地域の方々や卒業生など外部人材が担ってくださっています。2012年度の外部指導員の実態は、公立中学校で2582人、都立高等学校で1031人。そのうち、公費から報酬費を出しているのは、中学校で2332人、高等学校で896人。人選や契約方法等は、市区町村の規定や学校の裁量により行われているそうです。
今回設置した「部活動指導のあり方検討会」では、体罰根絶に向けて、指導者として心がけるべきこと、今後の新たなスポーツ指導のあり方について特別講演などの研修を実施するとしています。しかし、研修は部活動顧問教諭の代表者を対象としているので、行き届いた研修となるのか不安を抱きます。
元プロ野球選手の桑田真澄さんは本の中で、絶対に仕返しをされないという上下関係の構図で起きるのが体罰であるとし、指導者の意識改革が一番遅れている、殴る蹴るの指導法から脱却し、科学的指導法が必要だと言っています。
肉体的にも精神的にも子どもの自尊心を奪うような行為は、指導ではありません。“スポーツが好きだ!“という気持ちを高めていくのが指導ではないでしょうか。市区町村のまちまちであいまいな規定や、学校の裁量に任せるのではなく、きちんとした基準を定める必要があると考えます。