老朽マンションを建て替えようと思ったんだけど、あれっ?

 都内ではマンションの老朽化が進み、旧耐震基準のマンションは約36万戸、建替えや耐震化の必要性が指摘されています。

多摩地域のある集合住宅では、管理組合役員は修繕なのか建て替えなのかを決定するために、あちこちに相談したそうです。住民の8割の合意がなければ、大規模な建て替えができないという法律の規制があります。そこで、管理組合は、客観的なデータや解析をマンション住民に説明するためには、外部の専門家に診断等を頼む必要があります。このマンションでは、自治体のアドバイザー制度を使って検討してきましたが、結論を出すに至らず終了。そこで、大規模な団地の建て替え実績のあるコンサルタントに依頼し、現在、聞き取り調査などがスタートしたと聞きました。

コンサルタントの契約料が約1000万円とも聞いていますが、管理組合が機能していなかったり、余力のない団地にはとてもとても手の出せる状況ではありません。

東京都には管理組合の求めに応じて建築士等が相談に応じる支援アドバイザー派遣制度があります。都は、自治体の窓口にパンフレットを置き情報提供をしていますが、10年間で100件程の利用では、その情報がきちんと住民に届いていない現状です。パンフレットだけではなく、派遣の中身もマンションの実情に合わせたものでなければ役に立ちません。3・11以降、マンション住民には不安が広がっています。

都は、防災対策として老朽マンションの建て替えを進めていく方針ですが、こうした老朽マンションを廃墟にしないためにも、建て替えや改修に向けた支援を地元自治体と連携して実施していく必要があります。