山田町ゾンタハウス~被災地の子ども支援 ~子どもたちの内なるパワーが育っている!
東日本大震災から5年が経過し、6年目を迎えます。
しかし、いまだに避難生活を送っている方が全国で17万人以上います。仮設住宅住まいも長期化し、心身ともに負担がかかっているのが現状です。
そのなかで、昨日、東日本大震災子ども支援ネットワーク主催「第15回東日本大震災子ども支援意見交換会-5年間の子ども支援を子ども参加で検証する」(@衆議院議員会館)で、うれしい報告を受けました。
被災地では、さまざまな団体が、子どもたちの学習支援・居場所づくりを行っています。東日本大震災子ども支援ネットワークは、森田明美東洋大学教授、荒牧重人山梨学院大学教授等が、震災後、被災地の復興への取り組みのなかで子どもの権利の保障、災害時にも子どもたちの権利が保障されるようなしくみづくりの重要性を訴えました。その中で森田明美さんが理事長とする「NPOこども福祉研究所」が、いち早く岩手県に「山田町ゾンタハウス」を開設しました。子どもたちが集い、勉強し、軽食を食べてリラックスできる居場所です。
あの日、子どもたちは、一瞬にして家族を失い、友だちを失い、家や学校を失いました。そして、その悲しみや辛さを言葉として表現できずにいました。その子どもたちが、ゾンタハウスを通して、大学生のボランティアや大人たちの寄り添いによって、居心地のいい、使い勝手のいい環境の中で、5年かけてようやく自分の言葉で思いを語るようになれたといいます。当時、小学生だった子どもは高校生に、中学生だった子どもは大学生や社会人に成長しています。今回の意見交換会には、その高校生や大学生が参加し、これまでの思いや今行っている活動を報告してくれました。
高校生たちは、自分たちのまちを盛り上げたいと、山田町のCMをつくり紹介してくれました。大人の手助け、つながりがあれば、子どもは何でもできると思えるようになった。自分たちの力でまちを活気のあるまちにしたいと、これからやりたいことを元気よく話してくれました。
大学生たちは、それぞれ通っている大学で震災の話をしても、被災地以外から来ている友だちにはなかなか実感を持ってもらえないことに気づき、身近な大学生を連れて、南三陸小規模ツアーを企画。すると、メディアで報道されている状況との差、復興が進んでいない現状を前に、驚きと関心を持ってくれたといいます。参加した大学生たちは、それぞれ家に帰ってから家族と震災について話をするようになったり、自分のまちの防災に関心を持ったりしてくれているという報告がありました。また、高くて大きな防波堤ができ、防災のためとはわかっていても海が見えなくなった寂しさと、防波堤に絵を描けたらなど提案もありました。子どもや若者の発想は豊かです。復興には子ども、若者の参画が不可欠です。
この5年間で、子どもたちは自分の人生を考え、未来に向かって歩き始めています。
震災から6年目を迎えるにあたり、私も今後の支援のあり方、東京で震災が起きた場合に何が必要かなどを政策提案していくいい機会を得ることができました。
子どもたち、若者たちのエンパワメントに感謝です。