2015年度東京都中央卸売市場会計決算は不認定に!~公営企業会計決算委員会より~
2015年度(平成27年度)の決算には、豊洲市場について、盛り土をせず地下空間を生み出す原因となった市場主要建物の建設工事にかかる費用のほか、地下水管理システムや補助315号線下の連絡通路設置の費用などが計上されました。
盛り土を全面に施すことは、2009年2月に策定された「豊洲新市場整備方針」に明記され、2012年3月議会では、市場会計予算を可決した際に、附帯決議として「土壌汚染対策の着実な実施」も明記されています。
盛り土なしで建設が行われたことは、都の方針にも、都議会の決議にも反した行動であると言わざるを得ません。
さらに、地下水のモニタリング結果から、環境基準値を超えるベンゼンやヒ素が検出されており、環境水準が達成されていないと考えられます。この間の環境対策が適切・充分であったのかを踏まえて、現在の環境水準を把握・検証することが必要です。
豊洲市場の建物地下が空間になっていることは多くの工事関係者が知っていたようですが、それ以外の人は誰もが市場の敷地全体が盛り土をされていると思っていました。また、都のHP等も同様に表示され、今更「地下空間でも安全」と言われても事態は収まりません。歴代の市場長はいずれも地下空間の存在を知らなかったと発言し、この問題が上司にも上げられなかったことも表面化しました。
重要事項を上司に上げなかった、そして専門家会議等に諮らなかったことが、この問題を重大問題に発展させたのです。
今回の問題は、都庁内の意思決定のガバナンスの問題が問われていることを指摘し、都議会生活者ネットワークは不認定としました。