がんを治療しながら働く!

~医療と職場をつなぎ、がんと仕事の両立へ

この10年間で医療は飛躍的に進化し生存率も改善、今やがんは死の病気ではなく、治療も入院・手術から通院中心への治療へと大きく変化しています。
しかし、働くがん患者の多くが自主退職や解雇で離職しているというデータがあります。

矢川駅にて都政報告を行う2018年4月17日

がんと診断されると、社会保障制度の知識のないまま、短期間で様々な判断に迫られ、ショックや自信喪失、会社に迷惑をかけたくないなどの思いから、多くの人が治療を始める前に自主退職または解雇されているのだそうです。

一度退職してしまうと再就職のハードルは高く、非正規雇用になることが多いのが現状です。仕事はいきがいであり、社会とのつながりにもなります。そこで、がんに罹患しても治療しながら働き続けることできる社会となるよう、がん患者の就労をめぐる実態把握や支援について質しました。

都は、現在改定中である「がん対策推進計画」に就労の継続や再就職等への支援の充実、企業への理解促進に取組むこと、また、2018年度、支援の取り組み状況、医療機関のがん診療や相談支援等の実態調査を行う予定であること、その結果を踏まえ仕事の継続の支援策を検討していくと答弁しました。

都内にはがん診療連携拠点病院があり、都立病院のうち3病院(駒込病院、墨東病院、多摩総合医療センター)が指定を受け「がん相談支援センター」を設置しています。センターは、その病院の患者・家族だけでなくすべての患者および家族、地域住民や医療機関等が利用可能ですが、周知されていません。がん相談専門の医療ソーシャルワーカーの配置、社会保険労務士などの活用など、相談体制の充実を求めました。

また、企業側にも仕事をやめずに働き続けるための環境整備が必要です。有給休暇や時短勤務制度などの利用など柔軟な体制の充実など、都としても、大企業だけでなく、中小・零細企業への環境整備支援を求めました。

医療と職場をつなぎ、がんに罹患しても治療しながら、働き続けることがあたりまえの社会となるよう、福祉、就労、医療等が連携して、当事者や企業に正しい情報提供や相談等の支援体制の充実を今後とも進めていきます。