原発の再開はあり得ない!

福島被災地を視察して その②

南相馬市桜井市長「原発の再開はありえない!」と力強く訴える。
南相馬市桜井市長「原発の再開はありえない!」と力強く訴える。

 7月20日は、小島(おじま)ふるさと交流館に宿泊。ここは、廃校となった小学校を活用し、市民参加で川俣町自然体験宿泊施設をつくり、今年4月1日にオープンする予定でした。その直前、東日本大震災、原発事故が起き、施設は避難所となり、現在も体育館に数十人の方々が避難しています。原発事故がなければ、この夏休みはたくさんの子どもたちのにぎやかな声が響いていたことでしょう。
 
 21日、南相馬市桜井勝延市長にお話を伺いました。桜井市長は、3月25日、動画投稿サイト「ユーチューブ」にSOSを訴えるメッセージをアップし、日本のみならず世界中に広まりました。ご覧になった方も多いことでしょう。
 
 南相馬市内には、現在も、津波で失われた41平方㎞、原発事故で立ち入れなくなった20㎞圏内の「警戒区域」、30㎞圏内の「緊急時避難区域」、「計画的避難区域」があります。発災当初は5万人以上が避難し、市街地には人の姿がなくなっていましたが、今は4万人近くが戻ってきているそうです。ボランティアも、今は生活支援が求められています。学校や幼稚園・保育園の支援、中高生の進学支援などが大きな課題となっています。            
                         
また、8月上旬を目途に復興ビジョン、10月下旬までに復興計画を策定する予定だそうです。復興ビジョン策定のために、市民意識調査、各種団体懇談会、パブリックコメント、市民懇談会、復興子どもサミットなどを通して、多様な意見を聴衆。特に、子どもを、まちづくりの一員としてしっかり位置づけているところは、私がこれまで訴えてきた政策です。「何より大切なのは、国や大手民間ではなく。市民が参加することにより、雇用が生まれ、地域で暮らし続けるしくみづくりが必要」との考えに、共感しました。

桜井市長は、東京に来た時、あまりにも何事もないような東京の生活と、福島の被災地の危機感との温度差に驚愕したそうです。

「安全神話のなかで、東京は原発の危険を何も感じず、その恩恵のみ受けてきた。原発が近くにある自治体は、軽度の事故がたびたびあったにもかかわらず警戒感をなくしていた。その結果、事故が起き、全国各地に避難せざるを得ない事態を招いてしまった」
「原発の再開はあり得ない」

と、おっしゃっていました。 

 東日本大震災、原発事故から4カ月以上が経ってもいまだに収束せず、今後何十年も、私たちは、放射性物質と向き合って生きていかざるを得なくなりました。なんとしても脱原発、再生可能エネルギーへの転換を実現していかなくてはなりません。