中途退学、進路未決定のまま高校を卒業した若者を孤立させない支援を! ~都立高校10校で、在学中にNPOと連携した支援を実施
「高校生のうちはアルバイトもできたけれど、中退した途端にアルバイトを断られた」「就職先が決まらずに卒業し、しばらくは就職活動していたが、ひきこもりがちになった」等々、若者から切実なSOSが発せられています。
高校の中途退学者や進路未決定のまま卒業した若者が、高校を離れた途端に社会とのつながりが切れ、就労も就学もできずに無業状態、いわゆるニートの状態に陥っています。
生活者ネットワークは、若者の就職就労環境の調査を行なうと同時に、働くことに悩みを抱える若者に対してキャリア・コンサルタントなどによる専門的な相談事業を行なう「若者サポートステーション」の視察・聞き取り調査を実施しました。その結果、一度、意思と異なる方向に進んだり失敗したりするとひきこもりがちになり、なかなか抜け出せない実態があること、自己肯定感を失うと相談機関に向かう最初の一歩を踏み出すのも難しいということがわかりました。
これまで、都に、都立高校の中途退学者等の追跡調査による実態把握と、在学中から若者支援をはじめることを提案してきました。
2012年、都は「都立高校中途退学者等追跡調査」を実施。現在、都立高校10校でNPOとの連携による進路を決定するための支援や中途退学者等への支援をめざしたモデル事業を行っています。NPOスタッフが教員と連携し、個別面談等により、地域の若者支援機関とつなぐなど進路が決まらない生徒に就労や進学等につなぐ支援を開始しています。また、今回の一般質問で、これまで支援が届かなかった中途退学者に対して、就労や再就学につなげる取り組みを新たに試行していくとの答弁がありました。
やり直しのできる社会(リカレント社会)の実現とともに、高校卒業後だけでなく中退後も、孤立させない途切れのない支援をこれからも政策提案し実現していきます。