海洋汚染、海の生態系を守る プラスチックの発生抑制を

多摩地域では、市民の努力でプラスチックごみの分別も定着してきています。一方、23区では分別回収している区が少なく、プラスチックが可燃ごみとしても捨てられ、世田谷清掃工場は、燃焼するときに発生するダイオキシンの濃度の上昇で今年1月から操業停止になっており、プラスチックの分別や、さらなるリサイクルが必要です。

マイクロプラスチックって?
 
 「美しい海をこどもたちに」と全国各地の海岸で流れ着いたごみを拾い、その数や種類を調査して25年になる「JEAN」(国分寺市)によると、空き缶のプルタブは減少したが、プラスチックごみは相変わらず多いと言います。
プラスチックは海に流れ出ると波や紫外線などで細分化され、5mm以下のマイクロプラスチックとなり、海洋汚染が深刻な問題となっています。さらに、プラスチックを鳥や魚が食べて死んでしまうなど、海の生態系に多大な悪影響を与えています。
 
米国の化粧品メーカーは規制も
 
この他プラスチックによる汚染には、化粧品や歯磨き粉などに含まれる非常に微細なマイクロビーズが、下水道でも処理できず海に流出する問題が起きています。アメリカではすでに規制が始まっていますが、日本ではまだ知られておらず、何の対策も取られていないのが現状です。
都は、引き続きプラスチックの再資源化への取り組みを支援するとともに、ごみのポイ捨て禁止の普及啓発や水域の清掃を進めていくと答弁しましたが、発生抑制という観点から、プラスチック製品や容器の総量を減らし、海に流出することを防ぐことをメーカー側に求めていくことが重要です

※)マイクロビーズ(プラスチック・マイクロビーズ)
 1mm以下のプラスチック粒子。古い皮膚や汚れをこすり落とす効果があるため、日本の多数の大手メーカーでも『洗顔剤』『歯磨き粉』『ボディソープ』などに使っている。眼を傷つけるリスクがある。